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そもそも漆ってなに?

 

こんにちは、あとりえ青輝鳥です。

 

今日はカフェ プラムラインさんでワークショップの日でした。

ワークショップはちょうど去年の今ごろからスタートし、月に2~3回のペースで開催しています。

はじめて参加してくださる生徒さんにお配りするテキストから、漆について書いている文章をご紹介します。

 

写真はある日の教室風景
写真はある日の教室風景

1.       そもそも漆(うるし)ってなに?

 

 

漆は、ウルシノキの樹液を精製、加工した、日本に古くから伝わる塗料です。

 

 

 

ウルシノキから採取したばかりの樹液は乳白色で、空気に触れると茶褐色に変色し、固まっていきます。

ニンゲンがケガをして血が出ると、かさぶたができて傷を保護するのと同じはたらきですね。

 

 

 

漆の主成分である「ウルシオール」は、空気中の水分に含まれる酸素と結びつくことで固まります。

 

つまり、湿度が高いほど、漆ははやく乾きます。

 

漆が「乾く」と言うとき、水分が蒸発する乾燥ではなくて、本来は「硬化」すると言うほうが正しいのです。

 

 

 

漆は鉄や顔料などを加えることで、さまざまな色を作ることができます。

 

丈夫でうつくしく、耐水性・抗菌性にすぐれた漆は、食器や家具、建造物の装飾など、たくさんの用途に使われています。

 

 

 

塗料としての漆は扱いが難しいことや、かぶれる、などのイメージがあるため、気軽にチャレンジするというのは、なかなかむずかしい素材です。

 

そのため、漆器がたくさんの工程を経て、たいへんな手間ひまをかけて作られていることを一般の人が知る機会はほとんどありません。

 

 

 

また、現在は漆のかわりとなる塗料がたくさんあり、器胎(漆が塗られるもの)にも集成材、合板、プラスチックなどさまざまな素材があるため、木に天然の漆を塗った、伝統的な漆器との見分けもたいへん難しくなっています。

 

 

 

伝統的な漆器の良さ― 丈夫であること、軽いこと、手触り・口触りのよさ、人と環境にやさしいこと、そして、手しごとの温かさ― は、日々それに触れ、使うことで実感されるものですが、その機会がとても少ないと思うのです。

 

 

ワークショップでは、漆器制作のごく一部ではありますが、体験をしていただき、漆に親しんでいただけたら嬉しいです。

 


テキストはこのあと「加飾(かしょく)」について紹介していますが、そのお話は、また今度。