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和のコスチュームジュエリー<2>

1127日まで、大阪 国立民族学博物館 特別展『工芸継承―東北発、日本インダストリアルデザインの原点と現在』にて、あとりえ青輝鳥の「和のコスチュームジュエリーシリーズ」5点(2017)が展示されています。

 

ブログでシリーズを1点ずつご紹介しています。

 


リバーシブルペンダント/黄金色と赤の楕円 KM170

トップ:木胎錆地変わり塗(木、漆、砥粉、金箔)

ネックレス:ヨーロッパのヴィンテージビーズ、日本のヴィンテージビーズ、ウッド、合金、テグス


 

今日は、漆のペンダントトップの制作工程についてお話しします。

 

ペンダントトップの素地は木です。

そこに何度も何度も漆を塗っては乾かし、を繰り返しています。


「下地」→「下塗り」→「中塗り」→「上塗り」と

進んでいくわけですが、意外にというか、とても大事なのが下地の作業です。

お化粧と同じ。ファンデーションです。

 

このシリーズでは、下地に、砥粉(とのこ:砥石をパウダー状に砕いたもの)と水、漆を練って作る錆漆(さびうるし)を使用しました。

(他にもいくつか方法があります)

 

木にいきなり漆だけを塗り重ねてももちろん丈夫な漆器になります。

ですが、下地の作業を丁寧にすることによって、木の「動き」(変形)を防ぎ、木目や凹凸を埋めて滑らかな塗面を作り、木が漆を吸い込むのを遅くすることで美しい表情を長年保つことができます。

 

私が漆器の一番の魅力だと思っている滑らかで温かな手触りは、手間のかかる下地作業をすることによって得られるのです。 

 

下の作品の説明にある「木胎錆地」(もくたいさびじ)とは、木製の素地に錆漆で下地をしました、という意味です。

 

先ほど書いたように、錆下地は砥粉と漆と水のペーストですので、丁寧に塗っても表面に凸凹ができます。

乾いてからそれをサンドペーパーで滑らかにし、凹みにまた錆を塗り足して、また磨いて。。。
ようやく下塗りの作業になります。

「変わり塗り」とは、違う色の漆を何種類か塗り重ねて、上塗りが乾いたらペーパーで下の色を研ぎ出す技法です。いろいろな色の組み合わせができますし、模様の出かたも一つとして同じものになりません。

このシリーズでは変わり塗りを多用しています。
中塗り後、金箔を貼って、透明漆で上塗りをする「白檀塗」のような表現もところどころ見られます。

次回は、ネックレスのビーズワークのお話をしたいとおもいます。

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金田美里(Beads.Michel ビーズミシェル

ブログ
https://ameblo.jp/kirakirakirakira0127/entry-12404596968.html

ウェブサイト
http://beadsmichel.com


特別展「工芸継承」について:

2017年に宮城県の東北歴史博物館が開催した特別展『工芸継承―現在から捉え直す国立工芸指導所』が大阪に巡回。昭和初期から40年代まで仙台市に置かれた「国立工芸指導所」が残した資料をもとにその足跡をふりかえり、後の日本工芸界に与えた影響を紹介する展覧会です。

宮城の展示の際、高校生、大学生が「使って楽しい工芸」をテーマに、作品を作るワークショップが行われました。

加藤はこのワークショップに協力した職人の一人として、作品を紹介していただいております。

2018巡回展では、金沢美術工芸大学の収集による『平成の百工比照』や、明治時代の超絶技巧の工芸品の紹介なども加わり、よりスケールの大きな内容となっています。

 

国立民族学博物館ウェブサイト 

http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/20180913kougei/index